2024/04/24 10:10
長所
1. 環境に優しい
従来のマルチはプラスチック製のものが多く、脱プラスチックを掲げる近年において、問題視する声も少なくありません。その点、生分解マルチは土壌中に存在する微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、プラスチックゴミの削減に繋がります。
2. 剥ぎ取りの労力が省ける
生分解マルチは、使用後に、トラクター等によって土に鋤き込むことで処理できるといった特徴をもちます。そのため、回収コストや廃棄処理コストがかからないという利点があります。マルチが土壌中に残らないよう手作業で取り除く作業も不要なため、作業にかかる労力や負担の軽減が可能です。
3. マルチ処理コストの削減につながる
近年では、脱プラスチックの動きに伴い、プラスチックを原料とするマルチフィルムの処理にかかるコストは年々増加傾向にあります。生分解マルチの使用においては廃プラスチックが発生しないため、廃棄にかかるコストを削減することができます。
短所
1. 価格が高い
生分解マルチはメーカーによって価格は様々ですが、従来のマルチと比較して3〜5倍の価格で販売されている場合が多く、導入コストは決して少なくありません。今後、生分解マルチの普及が進むことによって、価格が低下することが期待されています。
2. 強度が弱い
生分解性マルチは、20年以上前に市場に登場した当初と比較すると格段に強度が安定しました。しかしながら、従来のマルチと比べると、特に縦方向に裂けやすい傾向があります。展張する際には、ゆっくり張ることで亀裂を防ぐことが可能です。
3. 分解速度に気を配る必要がある
生分解マルチは、気象変化や紫外線、微生物の働き、水分などにより分解が進みます。水田の跡地など多湿傾向にある場所、また温度が高く紫外線量も多い夏場などは、分解が早く進む場合があります。また⼟壌消毒剤を使⽤した場合にも分解が早まりやすいため注意が必要です。